学習心理学 科目終了試験設題(4)
学習心理学 科目終了試験設題(4)
「結果の知識(KR)について」
KRの意味および重要性を理解し、効果的なフィードバックの特徴について考察する。キーワードは「フィードバック」「結果の知識の内容と遅延」
<KRとは>
KRとは「結果の知識」「フィードバック」とも呼ばれ、何かの学習を行わせる際、学習者の反応(回答)に対して正誤の情報を与えることである。学習者はこの正誤の情報をもとに、学習が正しい方向に向かっているか確認を行なう。正しくなかった場合は、必要に応じて自らの学習活動を修整し、学習を達成する。実験では、線分描きの学習、シュートの学習などがよく引き合いに出される。
<レイノルズとアダムスの実験>
★KRは有無だけでなく、明確に示されることによりさらに学習の効果が上がる
レイノルズとアダムスは、回転盤追跡装置を用いた運動学習の実験により、KRが目や耳で確認できると、成績が良くなることを発見した。
<トゥロブリッジとケーソンの実験>
★どのような内容の知識をフィードバックするかで学習の成績が変わる
トゥロブリッジとケーソンは線分書きの実験を行い、下記3点の発見をした。
- 正誤だけでなく、量までをフィードバックする場合が最も成績が良い
- KRが与えられないと学習は行われない
- 関係のない結果の知識(この場合は無意味つづり)が与えられると、かえって成績が悪化する
<グリーンスプーンとフォーマンの実験>
★結果の知識が遅延すると効果が半減する
グリーンスプーンとフォーマンは線分引きの実験により、たとえフィードバックがあったとしても、動作の直後でないと効果が半減することを発見した。
★参考にした本
学習の心理―行動のメカニズムを探る (コンパクト新心理学ライブラリ)
- 作者: 実森正子,中島定彦
- 出版社/メーカー: サイエンス社
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- 作者: 中島義明,子安増生,繁桝算男,箱田裕司,安藤清志,坂野雄二,立花政夫
- 出版社/メーカー: 有斐閣
- 発売日: 1999/01
- メディア: 単行本
- 購入: 4人 クリック: 10回
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グラフィック学習心理学―行動と認知 (Graphic text book)
- 作者: 山内光哉,春木豊
- 出版社/メーカー: サイエンス社
- 発売日: 2001/03
- メディア: 単行本
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