心理学ほげほげ勉強日記

東京福祉大学の心理学部、通信教育課で学ぶ男のブログです。三十路にしてふたたび大学に通うとは……どこへ向かおうとしているのかはともかく、勉強したことをまとめるです。

グロリアと3人のセラピスト:来談者中心療法、ゲシュタルト療法、論理療法

カウンセリング系の授業では必ず聞く「グロリアと3人のセラピスト」。グロリアというのは30歳の女性で、クライエントです。3人のセラピストとは来談者中心療法のロジャーズ、ゲシュタルト療法のパールズ、論理療法のエリスで、それぞれのメソッドで心理療法を試みるという内容です。1965年に撮影されたもので、アメリカでは現在放映禁止になったとか。「Youtubeから消えるのも時間の問題。今のうちに観ておきなさい」とおっしゃった先生もいるくらいです(笑)

多少演出もあるかもしれないけど、実際、こうした映像は他にないから、とても勉強になるよね……野次馬根性もあって本当にグロリアさんには気の毒なんだけど。

 

ロジャーズ、パールズ、エリスともに、下記に全部まとめられています。


グロリアと3人のセラピスト - YouTube

 

僕としては、ロジャーズは「よくしゃべるな!」と思いましたw 「非支持的心理療法」だとただ聞いているだけのように誤解されるから「来談者中心療法」という名称にした、という話だったけど、想像以上にしゃべってたw でも3人の中で、一番「治りそう」「前向きに過ごそう」と思いたくなるだろうな、と思ったのがロジャーズだった。

というのも、いやまあこれは「心身ともに健康な大学生」(心理学基礎実験の講義を受けた人は笑っておくれw)の一意見なんですが、

パールズのおっさん腹立つわ(のちに教科書を読んで、パールズの戦略だと知るわけですが、それにしてもね)エリスのおっさん話なげーよ合コンでモテねーぞという感じで、ロジャーズが思った以上に善人というか寛容というか、まあ一言でいえばよく見えるwww いやまあよかったんですけどね。でもグロリアは、カウンセリング後にパールズを最も高く評価するんだよな。不思議。あれだけガチでやりあったのに。あれだけイライラしてキレまくってたのに……知性がある人に見えたから、納得できたということなのかな。

来談者中心療法、ゲシュタルト療法、論理療法、それぞれのアプローチの違いや、クライエント(グロリア)の受け取り方、納得のしかた……すべて勉強になった。ほんとYoutubeから消える前に観ておいたほうがよいです。

 

逐語記録はこちら。買えるのかな!? 

日本・精神技術研究所

 

ちなみにグロリアさんの予後はあまり良くなかった、と先生がおっしゃっていた。調べてみると、亡くなったのは精神病でも自殺でもなく、事故で急死されたとのこと。ただグロリアや娘についての誤解は根強く、偏見たっぷりの噂を流布されたりと誹謗中傷の嵐。これでは、Youtubeから削除したくなっても当然でしょうね。

 

娘のパメラさんが書いたのがこの本。「グロリアの娘パメラが映画にまつわる母の思い出を綴るだけでなく、突然の病と死によって母が達成できなかった意志―映画撮影の経験とその後の彼女の人生や成長について真実を伝えること―を受け継ぎ、実現させるために書いた待望の書」とのこと。読んでみたい。 

「グロリアと三人のセラピスト」とともに生きて

「グロリアと三人のセラピスト」とともに生きて

 

 

※追記

あのフィルムがどういうふうな経緯で撮影されたものなのか、すごく気になりませんか? ビデオを見せてくれた先生は「詳細はわからない」と通していましたが、僕はすごく気になりました。昔あった、催眠術をとりあげた番組のような感じ(複数の先生が、ああいったものは全部やらせとおっしゃっていましたがw)で、公開カウンセリングがなされたのかな、と思ったりも。もちろんグロリアさんは特に心理的問題を抱えていない、健康な人だと思っていたのです。

が、いろいろ調べてみると、グロリアは実際に心理的に問題を抱えており、あのフィルムはこうした心理学分野での教育に使われることは了解していたのだそうです。撮影は全部1日でなされたとのこと。つまり3人の違う心理療法家からのカウンセリングを3回受けたということになります。きつかっただろうな……

ロジャーズはその後も15年くらい、死の直前までグロリアと交流を持ち続けたそうです。