健康心理学 科目終了試験(1)ヘルスビリーフと健康行動について
健康心理学 科目終了試験(1)ヘルスビリーフと健康行動について
<ポイント>
健康に関して、個人と外界の間に成立している事態についてどのように知覚・認知しているのかを考える。個人の信念と健康行動の関係が大事。
ビリーフとは、物事に対して抱く思い込みや心情などの認知的反応である。
ビリーフシステムとは、個人が自己と外界との間に成立する事態を、どのように知覚・認知をしているかという認知システムである。これは個人が認知する現実を反映したものであり、客観的・理性的であるとは限らない。
■ブレスローの7つの健康習慣
- 適正な睡眠時間
- 喫煙をしない
- 適正体重を維持する
- 過度の飲酒をしない
- 定期的にかなり激しいスポーツをする
- 朝食を毎日食べる
- 間食をしない
■レーヴェンタールの行動予測因子
- 社会的因子(学習、強化、モデリング、社会的規範など)
- 遺伝的因子(アルコール依存などにみられる遺伝的要因の関わり)
- 情動的因子(不安、ストレス、緊張、脅威)
- 症状の知覚(痛み、息切れ、疲労)
- 患者など個人がもつビリーフ
- 健康関連の専門家がもつビリーフ
■オグデンのヘルス・ローカス・オブ・コントロール(社会認知モデル)
健康や病気の原因をどこに求めるかという考え方で、大きく2つあり、それが自分にあるか、自分以外にあるかに分かれる。自分にあると思えば、健康によいとされる行動をとりやすくなるが、医師や家族や運のせいだと思えば、自分からは行動しないと考えるもの。
帰属理論とともに因果関係とコントロールを重視している。
■非現実的楽観主義(社会認知モデル)
罹患性と危険性を強調
■トランスセオレティカルモデル(社会認知モデル)
ビリーフの力動的側面、時間、コストと利益を強調。
■ヘルスビリーフモデル
ローゼンストックにより提唱され、のちにベッカーによって発展した。最古かつ最も広汎に用いられている予防的健康行動の説明モデル。
- 主観的罹患可能性(私は肺がんになりやすい)
- 主観的疾患重度(肺がんは重い病気だ)
- 主観的利得(煙草をやめるのは節約にもなる)
- 主観的障害(煙草をやめるとイライラする)
行動へのきっかけとしては内的(息切れなど)、外的(健康に関する本を読んだ)なものがある。
■リーズンドアクション理論
「人はふつう、入手可能な情報を理性的に予測に用いる」と仮説を立てる、人間の行動を説明するための理論。フィッシュバインとエイゼンにより提唱された。
良い感情や悪い感情から「行動への態度」が形成され、規範の重要性や主観的規範と組み合わさって「意図」となる。「意図」は直接「行動」に影響を与えるもので、ある行動を起こそうと「意図」すれば行動が起こり、「意図」しなければ起こらない。
■プランド・ビヘイビア理論
いくつかのビリーフの組み合わされた結果としての行動意図を強調。意図的な行動の多くは実際の達成が不確実である。そのため、目標とみなしたほうが適切であるとして意図を「行動目標を追求するときの行動の計画である」と考えた。行動意図を生み出す要因となるビリーフは下記。
- 行動への態度(運動は楽しいし健康増進にもなる)
- 主観的規範(やせれば恋人は私を認めてくれるだろうから、そうなりたい)
- 行動のコントロール