心理学ほげほげ勉強日記

東京福祉大学の心理学部、通信教育課で学ぶ男のブログです。三十路にしてふたたび大学に通うとは……どこへ向かおうとしているのかはともかく、勉強したことをまとめるです。

社会病理レポート B+いただきました(´・ω・`)

社会病理レポート、かなり悩んで書きましたがB+いただきました!(*´∀`*)ヤッタネ

そりゃあAとか欲しかったけど、まあ文句は申しますまい。勉強しただけのことはあったっす!! というわけでまとめまーす!!

 

社会病理レポート「『高学歴化社会』について述べよ。」

  • 学歴主義とは
     企業などにおける業績評価や地位・役割の配分に際し、その一つとして学歴を過度に重視すること。
  • 高学歴化社会
     時代の数位に伴い、社会構成員の学歴構造に占める「高等教育歴」保有者の比率が上昇する傾向

 

★学歴とその後の就職状況について

  • イギリスでは
    国家資格制度が社会的選抜昨日として重要な役割を果たしている。つまり、学歴に関係なく活躍の場が与えられている。
  • アメリカでは
    ビジネスの場では学校卒業後、就職できればオッケーではなく、常に業績が重視されて厳しい選抜が行われる。
  • 日本では
    就職の際、学校教育歴が選抜と地位配分において強く影響している。単純な学歴ではなく学校歴が重視される点も特徴的。近年はこうした傾向はやや弱まったといわれているが実際は根強く、学歴は社会的地位に大きく影響していると言わざるを得ない。

★高学歴化の病理って何?

      1. 高学歴化の「未成熟」
        未成熟は2点。一つは社会全体で高学歴化が進展する中、それが遅滞している社会的集合の状況。例として進学率や男女の地域格差。もう一つは高等教育機関の収容力不足。例として国公立大学の少なさ。
      2. 高学歴化の「機能不全」
        高学歴化の機能不全とは、社会が大学に寄せている期待ほどには高学歴化が役立っていないこと。例として大学での専攻分野と卒業の進路がかけ離れていることなど。
      3. 高学歴化の「逆機能」
        高学歴化の逆機能とは、高学歴化が望まれているにも関わらず高学歴化が望ましくない状況を生んでいること。代表的なものは学歴アノミー(※)。アノミーを低く抑えようと教育需用に枠をはめれば機会の不平等が生じ、機会を開放的にすればアノミーが亢進するといった矛盾がある。
         

 (※)アノミーとは

無制限状態を指す言葉。たとえば「少しでも良い大学に行くために努力すべきだ」といった考え方。

 

★学校歴と手段価値

学校歴が就職で問われるにも関わらず手段価値が期待できる大学は目標として高い価値があり、学歴の獲得は困難である。さらに困難であることはまた大学価値を高める。

一方、容易に手段価値が獲得できる大学では手段価値は低い。ただしう高学歴志向や学歴偏重主義により手段価値の低い大学学歴でも達成する努力が協調されている。

こうした傾向は受験競争を過熱させ、病理が生まれる。

 

★受験競争の過熱により生まれる病理とは

  1. 入学後の不適応や中退
    入りたい学校より入れる学校を選んだ結果、不適応を起こす。
  2. 大学受験対策中心の学校・生活体系
    学校の授業が受験中心に展開→授業の内容が高度化・高速化。落ちこぼれ(学力不振)の生徒を生む。補習や予備校、塾などもあって生活が勉強中心に。
  3. 評価の偏重
    偏差値が高い=良い子、偏差値が低い=悪い子、という一元的な能力評価につながる。勉強嫌いや学力不振といった要素が加わることで不登校や登校拒否などに。自己概念を悪化させ、非行に走る子もいる。
  4. 教育費が家計を圧迫
    低所得者層の子が学歴価値の高い学校へ進むことが困難に。

  5. その他、僕が考える病理(主観だからそのへんよろしく!)
    ・入学後に燃え尽き症候群になる子(僕www)
    ・反動で勉強よりバイトやサークルに没頭(僕www)
    ・大学が就職予備校化、学力やレベルがダウン

 

★日本は学歴社会であり続ける?

同志社の橘木先生の意見)

  • 進学希望は今後も強まる
  • 職業により学歴主義が保持されるか衰退するかが決まる
  • 学名のみで出世できる傾向は薄れていくが、医師や官僚といった特定職業においては今後も学歴が問われる傾向が持続するだろう

 

★高学歴化した社会は、今後どうなるのが理想的なのか?(僕の主観です!)

  • 「すべての人に平等な教育機会を」という理想がある限り、公教育費を増やすことが必須なのではないか
  • とはいえ、簡単に増やすわけにはいかないだろうから、教育の質の向上のために管理や指導が行われるべきだ。
  • 現在は「豊かでも不平等な機械配分にある教育」であるが、それが生んだ病理を踏まえることで「貧しくとも平等な機会配分」が目指されると良いのではないか

 

★先生からの所見

「社会病理現象への社会的対応の課題についてもっとたくさん書くと良かったと思います」とのこと。アチャー(∪ ´ω` )ですよねー。

 

★参考書籍でーす!

 

心理学の本ではないけれど、この課題を書くのに一番役立った本です。僕も1回目の大学生のときは、進学校でバリバリ受験戦争前線にいた兵士だったのですごい感慨深く読みました。読みやすく勉強になった。

教育と格差―なぜ人はブランド校を目指すのか
 

 

 概念を理解するのに役立った本。思えば教科書も社会学の先生が書いているんだよね……社会学をやっている人が書く文章はとても難解な気がするんだけど、一度理解してしまえばすごくおもしろい。

教育社会学 (有斐閣ブックス)

教育社会学 (有斐閣ブックス)

 

 

 参考程度に。どちらかというとレポートより、こういった研究があるのかと興味深く読んだ。

格差社会を生きる家族―教育意識と地域・ジェンダー

格差社会を生きる家族―教育意識と地域・ジェンダー

 

 

 かわいい表紙のわりにおっそろしくわかりづらくて笑うw

成熟社会の病理学

成熟社会の病理学