健康心理学 科目終了試験(4)ヘルスケアのシステムと健康教育について
健康心理学 科目終了試験(4)ヘルスケアのシステムと健康教育について
ヘルスケアシステムの概要や内容について具体的に考える。ヘルスケアシステムの中での機能、サービスの種類、その対象者、現在われわれが直面している健康問題とその対象者、健康政策との関連性やその評価など。
現在は厚生労働省などを中心に、さまざまな疾病予防、児童虐待防止のための連携と支援、精神保健福祉支援策、健康づくり対策が行われているが、国民医療費は徐々に増加傾向にある。以下、どのようなことが行われているか記す。
■健康の危機管理
- 地球規模の対応
国外からさまざまな感染症が持ち込まれる危険性。国内だけでの対策では限界がある。 - 健康危機管理体制の構築
振興・再興感染症の出現や血液製剤によるHIV感染の問題→健康危機管理の重要性を改めて認識させる出来事
- 一次予防の重視
早期発見・早期治療だけでなく健康増進や疾病予防という一時予防が重要。 - 子どもの健康習慣の確立
- たばこ対策の推進
■現代社会と心の健康
- ストレス対策の充実
- 児童虐待の防止
- 地域保健福祉体制の確立
■高齢化をめぐる課題
- 高齢者像の再検討
- 要介護高齢者の自立支援
- 高齢社会を担う人材育成
■厚生科学と技術評価
- 厚生科学の振興
- 技術評価体制の充実
- 臓器移植をめぐる議論
■エイズ対策
治療薬の開発のほか、不安や恐怖感を緩和するための精神的ケア、患者の人権保護が健康心理学の役割として注目されている。
■ヘルスケアシステムの問題点
- 国民医療費の高騰
- 治療を受ける側の苦痛
- 高度の先端技術による治療を受ける/受けないの結果の違い
■健康教育
健康な行動への自発的な適応を促進するあらゆる学習体験を「健康教育」という。目標としては下記3点。
- 自分の生活の中で健康の果たす役割を意識し高める
- 健康問題の解決のためにいろいろな情報を得てそれにより決定した目標を達成するために必要な技術を獲得する
- 日常のさまざまな変化に対して効果的に対応し、自分の健康への責任をもつ
■各発達段階別の健康教育
- 幼児・児童期
幼児心身症が増加。時代背景もあるが幼児・児童の処理能力は未発達のため反応を起こしやすいともいえる。ストレス耐性をそなえることができるような健康教育が必要。 - 青少年
思春期の心身不安定な健康問題については正しい知識を、喫煙・飲酒などの問題行動の危険さを教える - 中年期
生活習慣病の予防やこの時期ならではの発達課題獲得に力を入れる。仕事と家庭の問題だけでなく心身両面で老年期に向けた準備が必要。 - 高齢期
身体・生理機能の低下により心理的、社会的に影響を受けて生活や行動に変化が起きる。健康度低下にともなう自信喪失や不安、慢性疾患の増大、精神的機能の低下、経済的衰退などがある。看護や介護は大事だが、高齢者が過度に依存心をもたずに、自分の力を最大限に発揮して過ごせるような健康教育プログラムが必要。
以上のような取組みは、学校や企業、医療現場、コミュニティなどで取り組まれる。