学習心理学 科目終了試験設題(2)
学習心理学 科目終了試験設題(2)
「味覚嫌悪学習について」
<味覚嫌悪学習とは>
味覚と内臓不快感の対提示により生じる学習。古典的条件づけの特殊なもの。ガルシア効果とも呼ばれる。ガルシアが実験により、ある食べ物を摂取した後で不快症を覚えると、それを長く記憶にとどめ、以降同じ食べ物が提示されても嫌悪するようになるという法則を発見した。
<味覚嫌悪学習の特徴>
- 連合選択性が見られる
- 条件づけが極めて迅速に生じる
- 条件づけ可能なCS‐US感覚が極めて長く、消去抵抗が大きい
古典的条件づけにも関わらず、条件刺激(味覚)と無条件刺激(毒)との時間間隔が長時間空く遅延学習の場合でも条件づけが成立するのが特徴。なぜなら「接近の法則」と矛盾するから。
<ガルシアの実験でわかったこと>
- 学習が、味覚情報と内臓感覚情報の脳内連合学習の結果から生じること。
- 光や音刺激と電撃との連合学習は学習されやすいが、光や音刺激と味覚との関係は学習されにくいこと。
- 味覚は増強性嗅覚嫌悪(におい単独刺激)と内臓刺激との間では学習されにくい。ただ、においと味を同時に提示した後に不快感が生じると、におい単独刺激にも強い嫌悪を示すこと。
<一試行学習とは>
一試行学習とは、学習は漸時的にではなく、ただ1回の試行で突然に成立するという学習理論。ガスリーによるもの。ガスリーは、刺激を多数の刺激要素からなる刺激複合体と考えた。反応(刺激に対して有機体が示す活動)が生起する際には、その反応が生起した時点に存在した刺激要素のおのおのと、その反応が結合する。それに要するものがただ1回の試行であるとした。
味覚嫌悪実験では、この一試行学習が起きたとされている。
<参考になった書籍>
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