心理学ほげほげ勉強日記

東京福祉大学の心理学部、通信教育課で学ぶ男のブログです。三十路にしてふたたび大学に通うとは……どこへ向かおうとしているのかはともかく、勉強したことをまとめるです。

『心は実験できるかー20世紀心理学実験物語』

「心理学入門」の授業で先生にオススメされた本。実はそのスクーリングの数日前から読み始めたところだったので、覚えたての言葉を使うなら「シンクロニシティ」を感じてしまった。

 

心は実験できるか―20世紀心理学実験物語

心は実験できるか―20世紀心理学実験物語

 

 正直、私には実験心理学の勉強があまり面白く感じられなかった。教科書で紹介されるのは古い実験ばかり。しかも教科書は実験者と実験名、実験結果ばかり。これでは楽しくないし、わからない。この実験はどんな人が、どんな発想のもと、どんなことを考えて実施したのか?倫理的に厳しい実験を行った人(たとえばミルグラムとか)は、どんな目で見られていたのか?

本書で心理学史に名前を残す数々の実験を、実験者や周りの人の証言など「人」に焦点を当て、リアルに書き出す本。スキナーのオペラント条件づけ、ミルグラムの電気ショック実験など、心理を学ぶ人なら誰でも一度は通過する基礎の基礎である。そして現在では、倫理的に許されないものも多々だ。それでも、現在もなお応用して使われている実験も多い。

たとえば歴史をより深く理解するために歴史小説を読んだり、歴史マンガを眺めたりすることがはよくあるだろう。本書はそんなふうに、無味乾燥な知識が実はドラマティカルであることを教えてくれる。目に見えぬ“心”というものに挑む実験者の、熱意や好奇心、人間の不思議が確かに息づいていたことを知らせてくれるのだ。もちろん、実験の目的や背景も納得できるから、試験やレポート、論文にも大いに役立つだろうなと感じた。少なくとも、読了した今では身にしみて感じている。特に、スキナーとミルグラムは本書を読んで本当によかった。

目次を見るだけでも、教科書の理解とはひと味違うと思うのだがどうだろうか。

 

<目次>

1 スキナー箱を開けて[スキナーのオペラント条件づけ実験]

2 権威への服従[ミルグラムの電気ショック実験]

3 患者のふりして病院へ[ローゼンハンの精神医学診断実験]

4 冷淡な傍観者[ダーリーとラタネの緊急事態介入実験]

5 理由を求める心[フェスティンガーの認知的不協和実験]

6 針金の母親を愛せるか[ハーローのサルの愛情実験]

7 ネズミの楽園[アレクサンダーの依存症実験]

8 思い出された嘘[ロフタスの偽記憶実験]

9 記憶を保持する脳神経[カンデルの神経強化実験]

10 脳にメスを入れる[モニスの実験的ロボトミー

 

しかし心理学入門の先生、ビデオと自分の話が多かったw←大人の事情ということで、ここは小さな声で!!