心理療法概説 科目終了試験(2)転移と逆転移について
- 心理療法概説 科目終了試験(2)転移と逆転移について
<ポイント>
- 陽性転移
- 陰性転移
- 中立性
- 葛藤の再現
- 転移神経症
- 逆転移
- 教育分析
<まとめ>
★陽性転移とは
精神分析的心理療法で面接が進展するにつれ、クライエントが面接者に愛情や信頼、尊敬、性的欲求など陽性の感情を向けること。
★陰性転移とは
陽性転移とは逆に、恨みや非難、反抗、敵意など破壊的な感情を向けてくること。
★中立性とは
面接者は中立性の原則から、陽性転移や陰性転移に応じてはならない。
★葛藤の再現とは
転移は、クライエントが幼児期に両親との間で繰り広げた葛藤を、面接者との間で再現し、クライエントが抑圧してきた衝動が解放されてきたことを意味する。
★転移神経症とは
かつて両親との間に作られた神経症を、面接で再現された葛藤を禁止されることで再び人工的に症状を起こすこと。
★逆転移とは
クライエントのさまざまな転移感情が面接者に向けられると、それに対して面接者のほうにもさまざまな感情や空想が引き起こされること。逆転移を洞察したり、コントロールすることがクライエントの抵抗と転移を正しく認識し、操作していく上で不可欠の要因となる。
★教育分析とは
セラピストやカウンセラーの訓練過程で、自らがクライエントとなってカウンセリングを受けること。目的は主に3点。
- 自己理解の促進
- 将来的に治療の妨げとなりそうな自らの葛藤や抑圧された問題を解決する
- クライエントの内的変化を共感的に理解する
★まとめ
幼児期の葛藤が心理療法的なかかわりによって初めて転移として意識化される糸口が得られ、体験的に理解できる。
例)幼児期において、自分がいかに母親を支配的な人であると感じていたのか