心理学ほげほげ勉強日記

東京福祉大学の心理学部、通信教育課で学ぶ男のブログです。三十路にしてふたたび大学に通うとは……どこへ向かおうとしているのかはともかく、勉強したことをまとめるです。

健康心理学 科目終了試験(3)パーソナリティおよびソーシャルサポートと健康の関連性について

健康心理学 科目終了試験(3)パーソナリティおよびソーシャルサポートと健康の関連性について

<ポイント>

健康なパーソナリティでは、ユングマズロー、パールズ、エリス、本明寛などのパーソナリティ理論をよく見ること。(キーワードは自己実現、楽観主義、ユーモア

疾患とパーソナリティでは、タイプA行動パターンタイプC行動パターンをよく見ること。

ソーシャル サポートについてはテキスト第7章。

 

■健康なパーソナリティ

健康な人とは、環境の支配からの脱却、自己の目標に到達するための努力的行為を健康指標として用いようとするもの。積極性、自己受容、自己の表現、自律性、現実の認知、想像力、人間関係の調整などの傾向に健康の意義を求めようとする。

以下、「健康なパーソナリティ」をまとめる。

ユング

ユングが理想とした精神的健康とは、意識が無意識の力を方向付け、導く状態。意識と無意識の世界は統合され、どちらにも自由に展開していける。これを「個性化」といい、ユングが精神的な健康性とするものである。

健康なパーソナリティの目標は、ペルソナを収縮させ、パーソナリティの他の面を発達させること。

マズロー

最高度に健康な人間は自己実現者。生きているという経験を豊かにし拡大すること、また生きることの喜びを感じることをめざす。生理的欲求や安全の欲求が満たされていても、自己実現の動機がはたらいていなければ健康なパーソナリティとはいえない。

自己実現者とは下記のような人のこと(一部)

  • 物事をありのまま、客観的にみて先入観や偏見をもたない
  • 長所も短所も受け入れ、不平や悩みを持たない
  • 開放的で自然のままに行動している
  • 自発性と自然性のバランスがとれている
  • 他に依存せず、プライバシーを大切にして孤独を好む
  • 人類のために役立ちたいという願いと同時に、あらゆる人間に対し深い愛情と共感をもっている。

■パールズ

「いま、ここ」に生きる=現在への意識を高めて生き、自分のあるがままを受け止め、自分と周囲の世界とふれあい、自分の人生に責任をもち、自分自身に導かれていく。詳細は下記。

  • 「いま、ここ」に生きる
  • 自分の強さも弱さも受け入れている
  • 外的なもののせいにしない。
  • 自分の願望や衝動だけでなく怒りも表現できる

■エリス

人は人生の目標や目的を設定し、それを達成しようと努力しているときが一番幸せである。「理性的」であることは自分の目的を達成するのを援助し、「非理性的」は目標の達成を妨げる。

エリスの考える心理的健康とは

  • 自己利益
  • 社会的関心
  • 自己指導
  • 欲求不満耐性の高さ
  • 柔軟性
  • 不確かさの受容
  • 創造的仕事への献身
  • 科学的思考
  • 自己受容
  • 危険を冒す
  • 長期的な快楽主義
  • 現実的な努力
  • 自己の心理的混乱に対する責任

■本明寛

本明寛は能力としてのパーソナリティを態度能力と呼んだ。態度能力とは、状況に対処するために後天的に学習し養成したパーソナリティ。知的能力、技術能力とならんで3つ目の能力と呼ばれた。

態度能力には適応期(積極的、協調性、慎重性、責任感)、自己実現期(自己信頼性、指導性、共感性、活動性、持久性、思考性、規律性、感情安定性、従順性、自主性)がある。現代では共感性が大事なのではないだろうか。

 

■健康をつくる概念

  • 楽観主義(物事がうまく進み、きっと良いことが起きるに違いないという信念を持つこと)
  • ユーモア(心の広さ、余裕)

 

■疾病とパーソナリティ

★タイプAパーソナリティ…狭心症心筋梗塞などの心疾患にかかりやすいとされる。

  • 競争心と達成意欲
  • 性急と短気
  • 敵意と攻撃性

★タイプCパーソナリティ……がんの発症や進行と深いかかわりがあるとされる

  • 怒り、不安、恐怖などの不快感情を表に出さず抑制する
  • 物静かで穏やかな態度。自己主張をしない。
  • 心の葛藤や緊張状態にうまく対処できない。
  • 絶望感や無力感、喪失感、抑うつ状態に陥りやすい。

疾病とパーソナリティは他にもある。

 

■ソーシャルサポート(社会的支援)

ソーシャルサポートとは、人間が生きていく上で、さまざまな場面で他者から受ける有形無形のサポートである。心理的・物質的支援から、他者との社会的関係や社会的ネットワークまで含まれる。

 

■機能面からみたソーシャルサポート(内容に焦点)

ソーシャルサポートは3種の情報である

  1. 情緒的サポート
  2. エスティームサポート
  3. 義務を共有するネットワークサポート

 

ソーシャルサポートは4種類の現象である

  1. 情緒的サポート
  2. 手段的サポート
  3. 情報的サポート
  4. 評価的サポート

 

ソーシャルサポートは次の3種類である

  1. 情愛
  2. 肯定
  3. 援助

■構造面から見たソーシャルサポート(出所や対人関係の存在に焦点)

 

出所に注目した定義(下記はすべて違う理論)

  1. 重要な他者が存在すること
  2. 対人関係の構造、機能、主観的評価をいう
  3. 行動に関してフィードバックを提供することでつらい経験を克服できるように促する人間間の愛着
  4. 生活変化に対応するために個人・集団・組織に近接して利用すること

 

■ソーシャルサポートと健康に関する理論

  • メインエフェクトモデル
    社会的環境は、モデリング、強化、励まし、仲間の影響などを含むさまざまなプロセスを通して健康状態に影響を与えていることを示す。

  • ストレスバッファリングモデル
    高いストレスと低いソーシャルサポート……病気を引き起こすストレス
    高いストレスと高いソーシャルサポート……ストレスは吸収・緩和される

  • 社会統合の考え方
    サポートはさまざまな社会集団に参加することで得られるものだという考え方

他、ネットワークや個人の信頼関係だと考えるモデルがある。r

 

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