心理学ほげほげ勉強日記

東京福祉大学の心理学部、通信教育課で学ぶ男のブログです。三十路にしてふたたび大学に通うとは……どこへ向かおうとしているのかはともかく、勉強したことをまとめるです。

【読んだ】『誕生日を知らない女の子』

児童虐待。自分の周りにはいなかった(多分)だけど、だからこそ知らなければと思ってこの本を読んだ。仮に心理職を目指してるもんねッ!(*´∀`*)

でもあまりに胸が痛い本でした……(´;ω;`)

 

誕生日を知らない女の子 虐待――その後の子どもたち

誕生日を知らない女の子 虐待――その後の子どもたち

 

2013年開高健ノンフィクション賞受賞作。

心理学を勉強していると、必ず児童虐待と児童相談所による保護といった話題に触れることとなります。そうでなくても、今の時代は児童虐待に注目が集まっていますよね。

 

ただ、親の側の病理や社会システムの機能不全、また児童相談所の取り組みといったところには触れるものの、子どもたちがその後どう育ったかについては、あまり見ない気がします。いくつかの授業でも、児童相談所による救出の現場をとらえたビデオを見せていただいたのですが、救出を経て里子に出されるところまでしか描かれていませんでした。

番組のコンセプトが、救出までを扱ったものだったからだと思うんだけど、ただその後も被虐待児は長く苦しみを引きずることになります。

 

命が助かった、それは尊いことです。ほんとうによかった。でも問題は、そこで終わりではなかったのだ、と本書で思い知りました(´;ω;`)

いつ殴られるか分からない状況で育った子は刺激に過敏。常に緊張状態にあるため、強い薬もなかなかきかない。悪夢を見て飛び起き、何日もろくに眠れないこともある。「解離」という手段で、現実と自分をぷっつりと切り離す。その間、表情も記憶もない人形のようになってしまう。言葉に出せないから、噛みつく。いきなりキレる。当然、他の子どもがいる幼稚園・保育園では問題行動を起こす。愛着障害が明らかな状態。これが、タイトルになった”誕生日を知らない女の子”の日常である。彼女の母子手帳は、真っ白だったとのこと(´;ω;`) 知らなかったよ、小さな子がこんなふうになっちゃうなんて…(´;ω;`)

こうした現実の中、里親だけでなく、最近ではファミリーホームというのもあると知りました。養育の役目を背負われる方には、本当に頭が下がります。子ども1人あたり、経費含めて20万円の報酬では、とても務まらないほどの心労であろうと思います。

児童虐待の防止、早期発見はもちろん大切です。でももっと、当事者である子どもに目を向けていきたい。そうでないと、問題行動から行き場をなくしたり、また不適応から、二次障害を生むことも珍しくないと思う(´;ω;`)

 

★ファミリーホームとは

児童養護施設里親制度と並ぶ新しい児童養護のかたちとして2009年4月に制度化された。親となる養育者を3人以上置いて運営することが条件一般の住宅で開設できる。預かる子の定員は5人か6人で、養育里親が同時に預かれる人数(4人)より多く、職業として運営できるよう人件費をまかなえる費用行政が支払う。12年10月現在全国に177カ所。虐待などで親と暮らすことができない子どもは県内に約500人いる。

ファミリーホーム とは - コトバンク

ファミリーホームとは? | ファミリーホームすずきさん家

里親ファミリーホーム - 日本ファミリーホーム協議会

 

★児童虐待の定義

http://mainichi.jp/shimen/news/20140212ddm004070021000c.html

(1)殴る、蹴る、激しく揺さぶるなどの「身体的虐待」(2)子どもへの性的行為、性器を触るなど「性的虐待」(3)子育てを放棄する「ネグレクト」(4)言葉による脅し、子どもの前で暴力をふるうなど「心理的虐待」−−の4種類がある。2012年度、全国の児童相談所が対応した相談は計6万6701件。児童虐待防止法施行前(1999年度)と比べて5.7倍に増加。11年度には58人(0歳児が4割強)の死亡事例が発生した。(毎日新聞より)