心理学ほげほげ勉強日記

東京福祉大学の心理学部、通信教育課で学ぶ男のブログです。三十路にしてふたたび大学に通うとは……どこへ向かおうとしているのかはともかく、勉強したことをまとめるです。

カウンセリングの基礎:授業の復習(1)

★「カウンセリングの基礎」はスクーリングのみの授業です(*´∀`*)

★レポート・科目終了試験はありませんが、勉強として授業で学んだことをまとめています(*´∀`*) ハイッ!勉強熱心な三十路です!

 

<カウンセリングの歴史>

 

1)パーソンズと職業指導運動

1908年 フランク・パーソンズ ボストンの職業局にて個人の適性を調べ、実際に従事する仕事の性質を分析し、その適性と仕事の性質をマッチさせることで職業上の成功に結びつけることができると証明。このとき相談・職業紹介を行う人をカウンセラーと呼んだ。

『職業の選択』(1909)

2)ビネーと精神測定運動

1905年 A.ビネー(フランス) すべての子どもに適切な就学機会を与えるという名目で知能検査の原型を作成し、精神年齢という概念を導入した。心理が数値化できるようになってきた、という点において非常に価値があることであった。精神年齢とは知的な能力の達成度であり、性格ではないことに注意。

 

3)ビアーズと精神衛生運動

K.ビアーズ 精神疾患により精神科へ入院し『わが魂に出会うまで』を書いた(1908)。精神疾患患者の劣悪な入院環境や、被人道的処遇の改善を訴えた。これが精神衛生運動へとつながる流れを作った。

また第一次世界大戦後、PTSDなどに悩まされる兵士のために、在郷病院にカウンセラーが配置された。

 

<日本におけるカウンセリングの歴史>

戦後、学生厚生補導(SPS)が推進された。ここで言う「補導」は「サービス」の意味。

昭和26〜27年 W.ロイドの来日

昭和28年 東京大学に学生相談室が開設される

昭和32年「相談心理学」沢田慶輔

昭和36年 C.ロジャーズの来日

 

日本の場合、まず大学の相談室からカウンセリングの歴史が始まったと言って良い。昭和33年の調査によれば、当時、相談室を設けた大学は63校であった。

またロジャーズの理論は教育現場を中心に広がった。

 

 <カウンセリングとは>

カウンセリングの定義は、理論的背景により強調される点が異なり、複数存在する。

 

・日本カウンセリング学会の定義

「カウンセリングとは、カウンセリング心理学等の科学に基づき、クライエント(来談者)が尊重され、意思と感情が自由で豊かに交流する人間関係を基盤として、クライエントが人間的に成長し、自立した人間として充実した社会生活を営むのを援助するとともに、障害において遭遇する心理的、発達的、健康的、職業的、対人的、対組織的、対社会問題の予防または解決を援助する。すなわちクライエントの個性や生き方を尊重し、クライエントが自己資源を活用して、自己理解、環境理解、意思決定及び行動の自己コントロールなどの環境への対応と対処等の諸能力を向上させることを支援する専門的救助活動である」(田上・小澤 2005)

 

・福島(2003)

「カウンセリングは、何らかの個人的問題で援助を求める人(クライエント)が専門的訓練を積んだひと(カウンセラー)との言語的・非言語的相互作用を通して、個性を生きることができるように、側面から支援する援助活動である」

 

<カウンセリングと近似の概念>

・カウンセリングとセラピー

 セラピーは「治療」「治癒」という意味を持ち、病気を治すことを意味する。一方カウンセリングは、必ずしもクライエントが病的な症状を持つかどうかは問わない。

・カウンセリングと臨床心理学

 臨床心理学は精神医学の流れを踏まえながら展開してきた学問で、治療することをメインとする。

・カウンセラーと臨床心理士

 日本では臨床心理士スクールカウンセラーを務めるなど、あまり明確に区分されていないふしもあるが、臨床心理士は資格が必要である。

・精神療法と心理療法

 精神医学の人は自分たちの援助を精神療法といい、心理の人は心理虜法という。

<臨床心理学の定義>

臨床心理学とは、さまざまな問題行動や身体的な不適応を起こしたり、様々な病理的問題(身体的・精神的症状)の理解と解決に心理的要因が大きく関与していると思われる種々の症状を示す個人に対して、心の問題を解決したり、問題行動の改善を狙ったり、不適応を解消してより適応した人格的・発達的・心理的・行動的状態に導くために行われる心理学、およびそれと関連する諸科学の知見と方法を用いて行われる心理学、およびそれと関連する諸科学の知見と方法を用いて行われる専門的な援助の体系。

 

<カウンセラーという資格>

・アメリカでは……

カウンセラーと臨床心理学者は異なる資格である。

臨床心理学者は博士号の取得と心理検査の実施ができ、保健による支払いを受け開業独立ができる。

・日本では……

臨床心理士は大学院の修士課程を卒業することで取得が可能。財団法人日本臨床心理士資格認定協会により授与される認定資格である。

 

精神分析学の創始>

・ウィーンの開業精神科医、ジグムント・フロイトが創始。著書は『ヒステリー研究』(1895)『夢判断』(1900)

・神経症の根底に、無意識の領域に追いやられた欲求、とりわけ性的欲求が重要な働きをしていることを指摘した。

・小児性欲論……性的エネルギーがどこへ向けられるかである。

  • 口唇期
  • 肛門期
  • 男根期
  • 潜伏期
  • 性器期

 

・心の構造論

  • エス…欲求の源泉
  • 超自我…しつけ、良心、社会的規範
  • 自我……コントロールする

前意識とは、意識されてはいないものの、思い出そうと注意を向ければ思い出すことができるもの。何らかのきっかけさえあれば、いつでも意識の中に入り込める。例として、昨日食べた食事、車の運転の仕方などがある。

 

・防衛気勢

機制とは「しくみ」「メカニズム」の意。フロイトは自我の働きの一つとして、防衛機制という概念を持ち込んだ。防衛機制とは心が葛藤や不安、緊張などの状態に陥ったとき、自我の崩壊を防ぐために行われる対処方法のことである。たとえば、抑圧は苦痛な感情や欲動、記憶を意識から締め出すことである、退行は早期の発達段階へ戻ることであり、反動形成とは本心と裏腹なことを言ったり、したりするなどがよく知られている。

防衛機制の例:抑圧、抑制、否認、置き換え、昇華、補償、知性化、合理化、投射(投影)、取り入れ(摂取)、同一視(同一化)、退避、現実への逃避、白日夢(空想への逃避)、反動形成など。

 

・催眠暗示法

シャルコー……フランスの神経学者。ヒステリー研究で有名である。彼のもとにはフロイトやジャネなどが学んだ。

アンナ・O

催眠カタルシス法

※催眠はかかりやすさ・かかりにくさがあり、効果が長続きしない。また催眠が切れるとぶり返すなど、他律的ゆえに難しい部分があった。

 

自由連想法

精神分析の治療技法の一つである。フロイト無意識を探索する手段として、催眠技法の代わりに考案した。患者はカウチ(寝椅子)に横になり、心の中に思い浮かぶことを選別せず、自由に語る。その際に語られることは無意識の中に抑圧された外傷体験やコンプレックスであり、それを解釈することで治療を行っていく。催眠にかからない患者への実施が可能。セラピスト側が働きかけをしない関わり方である。

 

精神分析的治療法の治療構造>

精神分析“的”というところがミソ。下記は主な違い。

精神分析

 →洞察と症状の現象に伴う人格の再構成が目的。週3〜5回、数年という長期にわたって介入を行う。自由連想法を用い、分析者は沈黙を守る。

精神分析的カウンセリング

 →症状の減少と対人的葛藤へのある程度の洞察を目標とする。週1回、20回あるいは1〜2年という短期で介入を行う。自由連想法も用いるがカウンセラーは能動的である。

カウンセリングの構造を整えることは、クライエント保護のためにも重要である。

 

精神分析的心理療法>

・作業同盟(治療同盟)

 患者と治療者との協力や共同作業を示す概念。精神分析療法においては、患者の自我と治療者の自我とが協力して、患者の内面を観察し理解していこうとする。すなわち、患者の観察自我と治療者の観察的自我とが同盟を結んだ結果、患者の精神生活に対する患者の自我の支配力が増すのである。作業同盟(治療同盟)は、精神分析療法を成立される基礎となるものである。

 

・カタルシス(浄化)

 葛藤が意識化され、自我の一部として組み込まれていくこと(神経症の場合)

・徹底操作

 治療状況の中で生じる転移や抵抗を徹底的に克服すること

 

★教科書